M&Aそこが知りたい!

■著者/木俣貴光

■本体価格/1600円

■発 行 2011年4月

■ISBN ISBN978-4-86059-102-1

■判 型 A5判

■ページ 240ページ 

 



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▶︎もくじより

M&Aそこが知りたい!――プロが教える 会社の上手な売り方 失敗しない買い方/目次 


今後ますます活発化するM&A――改訂新版まえがき


先んずれば“機会”を制す――初版まえがき

 

PART1 中堅・中小企業を取り巻くM&Aの現状

1 なぜ、いま中堅・中小企業にM&Aが必要なのか 

   ▽後継者不在の解決策、既存事業の強化策として注目されている 

 

2 「買いたい会社」と「売りたい会社」――どちらが多い? 

   ▽圧倒的な売り手市場は今後も続く 

 

3 M&Aはどんなやり方(手法)で実施されるのか 

   ▽中堅・中小企業では手続きが簡単で現金決済の株式譲渡が主流

 

4 事前の承認を得るべき”ステークホルダー“とは誰か 

   ▽全員の賛同ではなく主要な人からの賛同を得るのがポイント 

 

5 会社法の施行によりこれまでと変わった点は? 

   ▽現金を得る選択肢が広がり、手続きがより簡単に 

 

6 三角合併の解禁はオーナーにとって“追い風”となるか 

   ▽事業承継も相続対策も解決できる 

 

7 実際のM&Aはどのような手順で進められるのか 

   ▽成約までに1年程度はかかる。2年かかることもザラ

 

PART2 「イザ実践!」で戸惑う疑問の解決策

ステップ1 決断する前に知っておきたいこと

1 売り手 売るメリットは大きいはずなのに、なぜ成約率は低いのか


        ▽生じるデメリットの多くは事前の対策で回避できる 



2 売り手 「清算」と「第三者への譲渡」――どちらがトクか


        ▽税金により手取額に大きな差が出る 

 

3 売り手 従業員に継がせることのメリットとデメリット


        ▽「継がせたい人物」より「誰が継ぐのがベストか」を考える 

 

4 売り手 会社の“売り時”はいつなのか


        ▽「いますぐ売りたい」という会社は警戒される 

 

5 売り手 依頼してから成約するまでどれくらいかかる?


        ▽通常は1年程度だが、相手が決まっていれば半年ぐらい 

 

6 売り手 業績が悪化した会社でも売れるのか


        ▽赤字をカバーする不動産収入がある場合はどうか 

 

7 売り手 会社の一事業だけを売却したいときはどうする?


        ▽売却方法により対価の受け取り方、従業員の雇用責任が変わる 

 

8 売り手 株主が分散しているがどうしたらいい?


        ▽同意取りつけは売り手の責任。効率的な方法とそのポイント 

 

9 売り手 名義株があるがどうしたらいい?


        ▽事前にきちんと処理しないと大問題になる 

 

10 売り手 迷ったとき誰に相談したらよいか


        ▽具体的なアドバイスが得られる仲介機関がお勧め 

 

11 買い手 買い手にとって“失敗”となるM&Aとは?


        ▽一定期間以内に期待したリターンが得られないケース 

 

12 買い手 「買い手の50〜70%は失敗」と言われるワケは?


        ▽業容拡大には不可欠だがリスクを背負うのは買い手自身 

 

13 買い手 買収に失敗しないために抑えておきたい留意点は?


        ▽買収後をにらみながら買収交渉にあたること

 

ステップ2 仲介機関を選ぶ際に知っておきたいこと

14 共通  仲介機関は何をしてくれるのか


        ▽仲介機関の役割と担当者に求められる能力 

 

15 共通  仲介機関の使い方には二つのパターンがある


        ▽中立的立場のものと依頼人の立場につくもの 

 

16 共通  報酬はどれくらい支払うのか


        ▽着手金は必ず必要。成功報酬は成約金額に応じて決まる 

 

17 共通  どのような仲介機関を選べばよいか


        ▽業種・業態別の特徴をつかむ。名の知れたところなら安心 

 

18 共通  仲介機関が決まったらアドバイザリー契約を結ぶ 


        ▽契約の内容と留意すべきポイント

ステップ3 最適な相手を探す方法

19 売り手 自社にふさわしい買い手を探すコツは?


        ▽意外と多い経営者の人脈。上手な仲介機関の利用法 

  

20 売り手 知り合いの会社に買収を依頼するときの注意点


        ▽高圧的な態度の相手には断る勇気を持つ 

  

21 売り手 自社にメリットをもたらす買い手の選び方 


        ▽シナジー効果が期待できる将来性のある会社を選ぼう 

  

22 売り手 上場企業へ会社を売る場合の留意点とは?


        ▽ハードルは高いが、それだけにメリットも大きい 

  

23 買い手 有力な売り情報はこうして集める


        ▽業界関係者への積極的アプローチが好結果をもたらす 

  

24 買い手 紹介された会社をどう評価したらよいか


        ▽同業の買い手ならではの目利きをはたらかせる 

  

25 買い手 知り合いの会社を買収したいときはどうする?


        ▽経営者自らの打診は避け、仲介機関を利用する 

  

26 共通  トップ会談・相手先訪問で注意したいことは?


        ▽まずは会社や社長の“人となり”を知る

 

ステップ4 タイプ別会社評価の方法

27 共通  会社の値段はどうやって決まるのか


        ▽資産や負債を時価で見直し営業権を加える

  

28 共通  DCF法による評価と営業権の関係


        ▽DCF法の算定のしくみと営業権の考え方 

  

29 共通  資産はあっても利益の少ない会社の評価は?


        ▽利益を生み出さない資産の評価は低い。かなりディスカウントされる 

  

30 共通  創業間もないため資産も利益も少ない会社の評価は?


        ▽将来発生する利益の根拠やリスク予測が交渉のテーマ 

  

31 共通  不動産を多く持つ会社の評価は?


        ▽まず本体との一体化で算定し、必要に応じて切り離しを検討 

  

32 共通  節税により利益を抑えてきた会社の評価は?


        ▽節税対策とM&A対策は正反対。高く売るには節税をやめる 

  

33 共通  関係会社を持つ会社の評価は?


        ▽出資の有無や取引関係の見直しが必要。再編も一考 

  

34 共通  含み損益の資産がある会社の評価は?


        ▽節税効果を考え、含み損・含み益を評価する

 

ステップ5 成功するための交渉テクニック

35 共通  交渉成功は検討チームの編成次第


        ▽売り手に必須のメンバー・買い手に必須のメンバー 

  

36 共通  交渉を成立させるのに必要な心構えとは?


        ▽交渉に独り勝ちはない。相互満足を得るのが基本スタンス 

  

37 共通  希望価格の提示はどちらから行うべきか


        ▽売り手からもあれば買い手に提示させるケースもある 

  

38 共通  双方の価格の開きが大きい場合はどうするか


        ▽売買の対象を限定するか、いったん諦める 

  

39 共通  同業者と経営統合するときの留意点① 


        ▽統合の形態は共同持株会社か合併か 

  

40 共通  同業者と経営統合するときの留意点②


        ▽統合で新株を交付する際の問題点と対策 

  

41 売り手 少しでも高く売るにはどうしたらよいか


        ▽同業者の中から相乗効果を見込める相手を探す 

  

42 売り手 買い手に対しアピールすべき点はどこか


        ▽自社の商品価値を高めるにはここを伝える 

  

43 売り手 株式譲渡をする際のうまい節税方法とは?


        ▽一部を退職慰労金にすれば手取額を増やせる 

  

44 売り手 売り手企業の役員の処遇はどうなる?


        ▽必ずしも総退陣する必要はない。キーマンを残す方法も 

  

45 売り手 役員の引継ぎ期間とその間の報酬はどうなる?


        ▽半年から1年が目安。額は税務上の問題がない範囲で 

  

46 売り手 従業員の処遇はどうなる?


        ▽処遇維持は条項に織り込めるが大所高所からの判断も必要 

  

47 売り手 社内での情報流出は絶対防ぐ


        ▽ときには経営者がウソをつくことも必要 

  

48 売り手 買い手から要求された資料はすべて提出するのか


        ▽隠したい情報があっても、すぐに応じる 

  

49 売り手 社長が差し入れている個人保証はどうなる?


        ▽買い手に解除を確約させ、契約書に解除条項を入れる 

  

50 買い手 少しでも安く買うにはどうする?


        ▽自分たちにとっての価値がどれほどかを提示する 

  

51 買い手 株式は何%まで買い取るべきか


        ▽“果実”を得るには100%取得が望ましい 

  

52 買い手 金庫株(自己株式)は買収に使えるのか


        ▽新株の発行を抑えられるので合併や株式交換に有効 

  

53 買い手 業績の良くない会社を買う際の留意点は?


        ▽できるだけ安く買い、1年で結果を出す

 

ステップ6 基本合意をとり結ぶ

54 共通  基本合意とはどのようなものか 


        ▽双方の合意内容を書面で確認するもの。一定の拘束力を持つ 

  

55 共通  基本合意が成立したあとの留意点は?


        ▽交渉のヤマ場はこれから。協力関係を築く 

  

56 共通  主要な取引先からの同意を取りつける


        ▽仲介機関と相談して事前に根回しする

 

ステップ7 買収監査を実施する

57 買い手 買収監査(デューデリジェンス)とはどのようなことをするのか


        ▽何を調査する? リスクが見つかったらどうする?

 

ステップ8 最終契約を締結する

58 共通  M&Aを完結させるための法的手続き


        ▽取締役会での承認からクロージング・役員変更登記まで 

  

59 共通  最終契約書に盛り込まれるのはどんな内容か


        ▽売り手に責任を負わせるものが多い。チェックが必要 

 

ステップ9 締結後のフォローを大切に

60 売り手 従業員への開示はどのように行うか


        ▽大きな変化はなく将来への飛躍を期待させる 

  

61 買い手 買収した会社へ派遣される経営陣の心構えは?


        ▽コミュニケーションを徹底的に図ることを心掛ける 

  

62 買い手 買収後にまず取り組むべき課題


        ▽管理面での対応と事業面での対応

 

 

PART3 一歩進んだM&Aの活用術

1 “現代版のれん分け”MBOを実施するには?


   ▽メリットは大きいが実現できるのは超優良企業に限られる 



2 会社の成長をM&Aで意図する際のポイントは?


   ▽買収戦略は自社の業界特性をよく考える 



3 買収した会社の幹部・社員の協力を得るには?


   ▽売り手・買い手双方からなる“統合チーム”を発足させる 



4 グループ企業が増えてきたときの問題解決法


   ▽グループ組織再編の考え方と具体的手法 



5 これからは持株会社制によるM&Aが増えていく


   ▽持株会社制のメリットとデメリット。移行する際の課題 



6 少数株主を強制的に整理する方法――スクイズアウトとは?


   ▽会社の定めにもとづいて確実に少数株主を整理することができる

 

コラム M&Aの現場から

①オーナーの遺志で会社売却


②わずか半年で買収した会社が民事再生


③買収の打診にも下請企業の悲哀


④業界内でウワサが広がり買収後に顧客流出


⑤価格交渉はこうして進められる


⑥痛恨の根回し失敗
⑦重大リスクの発見――誰が責任を取るのか


⑧会社を訴えた軽視された元経営者

 

カバー装丁◎石田嘉弘 


本文DTP◎ダーツ


著者略歴

木俣 貴光(きまた たかみつ)

 

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 チーフコンサルタント

千 葉県出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、出光興産に入社。販売店の経営指導や本社経理部にて管理会計などを担当。その後、プライスウォーターハウスクー パースコンサルタントにて大手企業のグループ組織再編や経営統合に関するコンサルティングに従事。2003年7月より現職。専門は、M&A、グ ループ組織再編、経営戦略、コーポレートファイナンス。中小企業診断士。米国公認会計士試験合格。名古屋市立大学大学院経済学研究科修了(経済学修士)。 主な著書に、『幸せな事業承継はM&Aで』(アーク出版)、『企業買収の実務プロセス』(中央経済社)、『図解 経営キーワード』(日本実業出版社・共著)、『戦略的M&Aと経営統合マネジメント』(社団法人企業研究会・共著)などがある。雑誌などへの寄稿、講演多数。