わかるほど強くなる

交渉のマネジメント

 

■著者/中嶋洋介

■本体価格/1600円

■発 行 2003年9月

■ISBN  ISBN978-4-86059-018-5

■判 型 A5判

■ページ 296ページ 

 


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交渉にはメカニズムがあり、一つひとつのプロセスをたどればたがいに納得できる終着点に到る。だから、たとえ弱者であろうとも、自分の欲しいものを手に入れる方法がある。交渉の道具、コントロールのしかた、交渉力を補う方法など、交渉のしくみを具体例を交えながら解説。


▶︎もくじより

日本で初めて体系的理論にもとづく交渉のあり方を教示する本。

 

第1章 「交渉」は交流・交渉・説得の3つの要素からなる

 1 生活の中にある「交渉」と「説得」

 2 戦争と交渉 どっちがトクか

 3 交渉に勝ち負けはない!?

 4 交渉にはプロセスがある

 5 準備段階としての交流の重要性

 6 「交流」と「交渉」を使い分ける

 7 「交渉」と「説得」はここが違う!

 8 誰にも身近な「交渉的説得」

 

第2章 「交渉」の種類と「交渉力」の本質を知る

 1 交渉には4つの種類がある

 2 4種類の交渉の特徴

    分配交渉/交換交渉/合意交渉/統合的交渉

 3 交渉、説得、交流を分類する

 4 交渉は5つの要素で成り立つ

    「当事者能力」があるか/「取り決め」を結ぶ

    「話し合い」を行う/「利益の実現」を図る/「目的的行為」の達成

 5 交渉の基盤

 6 「交渉力」とは何か

 7 交渉力を決定する3つの源泉

 8 交渉の種類別「源泉」の働き

 9 「交渉理論」と「交渉力理論」の関係

 10 これまでの交渉術の限界

 

第3章 交渉の構造とメカニズムを知る

 1 交渉には構造とメカニズムがある

 2 交渉の循環構造とは

 3 交渉に必要な準備と循環構造

 4 交渉領域と交渉可能領域

 5 交渉の種類により交渉領域は異なる

    ノンゼロサム・ゲームにおける交渉領域/ゼロサム・ゲームにおける交渉領域

    北方4島の返還交渉

 6 交渉可能領域の絞り込み

 7 最初のプロポーザルの提示

 8 交渉終結のプロセス

 9 最終案と意思決定のプロセス

 10 交渉終結のかたち

 11 交渉の着地点はどこにある!?

 

第4章 説得のメカニズムを知る

 1 説得される側の意思決定プロセス

 2 説得は相手の意思決定に合わせて行う

 3 「理性」と「非理性」への説得

 4 説得の基盤とは

 5 説得のシナリオを練る

    交渉と説得の違い/説得のシナリオを作る

 6 説得の5つの要件と説得のプロセス

 7 「説得力」とは何か

 8 説得力を高める信憑性・信頼性

 9 好感度と説得力

 10 さまざまな説得の「ツール」

    「脅し」と「おだて」/「共感」(もらい泣き)/「権威」の利用/「口説き」の技術

 11 社会心理学による説得

 12 理性と非理性による説得

 

第5章 交渉における交流の重要性

 1 「交流」とは何か

 2 交流のメカニズム

 3 「交流力」と「面接力」を身につける

 4 非言語メッセージで相手を読む

 5 知っておくと役立つボディーランゲージ

    顔の表情(笑顔など)/声の調子/不用意に漏らす「なに気ない言葉」

    「うなずき」と「あいづち」/アイ・コンタクト/眼鏡を外す/指をさす…

 6 リトマス試験紙で状況を確認する

 

第6章 交渉のシナリオを描く

 1 強者の交渉と弱者の交渉

 2 交渉の目標は背景から生まれる

 3 交渉のシナリオを作成する

 

第7章 交渉のマネジメント

 1 交渉のマネジメント

    プログラムマネジメントが必要/交渉のコストを考える/企業の交渉費用管理

    交渉代理人を起用する/交渉は総力戦で/交渉の責任者の役割…

 

第8章 交渉の“現場”で役立つ知識

 1 交渉は誰にでもできる!

 2 理性と非理性を軸にした交渉のスタイル

 3 4つの交渉スタイルの特徴

    「利益と共感・安心」/「利益と反感・不安」

    「損失と反感・不安」/「損失と共感・安心」

 4 交渉の「ツール」を使いこなす

    脅し/「ノー」も脅し/おだて/譲歩/権威への同調

 5 プレゼンテーションの技術1

 6 プレゼンテーションの技術2

 7 プレゼンテーションの技術3

 8 交渉をコントロールする技術

 

第9章 交渉学への展望

 1 交渉の新しいイメージ

 2 社会儀礼としての交渉

 3 学問のテーマとしての交渉

 4 交渉学の理念

 5 求められる交渉専門家の育成

 

付録——交渉理論・交渉力理論と対象課題

あとがき


著者略歴

中嶋洋介(なかしまようすけ)

 

1947年生まれ。関西学院大学法学部卒業。

神戸製鋼所入社。原料購買部、海外サービス・輸出、新製品開発、カタール駐在、ロサンゼルス事務所長、(財)クリーンジャパンセンター国際部長、(社)日本圧接協会専務理事を経て、現在、武蔵野大学非常勤講師(交渉学)。主な著書に『交渉力』(講談社現代新書)がある。その独自でユニークな「交渉理論」は『日経ビジネス』誌に15回にわたり連載され、大きな反響を呼んだ。