知らないと危ない 毒の話

著 者 井上浩義

■本体価格 1500円

■発 行 2016年4月

■ISBN ISBN978-4-86059-164-9

■判 型 A5判

■ページ 182ページ

 



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誰もが知っておきたい「毒」の最新情報! 「ラクにきれいに死ねる」どころか塗炭の苦しみを味わう硫化水素/1グラムで100万人を殺傷する最強の毒ポツリヌス菌/プーチン大統領が認可した(?)毒殺に使われたポロニウム210/身体にいいはずのビタミン、カルシウムも毒になる!/乳幼児に脱水症状を起こすアロエ/薬局で買える猛毒の酢酸タリウム/水でさえ30リットル飲むと人は死ぬ…etc。青酸カリやヒ素など王道の毒物から、放射性物質や化学物質などの新しい毒物、身近にありながら以外と知られていない毒物など、最近ニュースで話題となった毒物を中心に役立つ知識をまとめた本。

プロローグ

「毒」を知り「毒」に対処する

 

●複雑・多様化した「毒」の使われ方───14

●身近なところにも「毒」はある───15

●世の中のほとんどの物質は毒性を持つ───16

●自然毒に多い血液毒と神経毒───17

●毒性の強さは半数致死量で示す───18

●2リットルの血液を失うと人は死ぬ───21

●毒が原因で起きる「ショック」状態───22

●毒物を摂取した時の応急措置───23

 

1章

おもに心臓に作用する毒

 

1オモト、スズラン、キョウチクトウ…

身近な植物の猛毒

アルカロイド───29

2スーパーの人気野菜モロヘイヤの毒

オリトリサイド───34

3「毒は薬なり」を体現する猛毒

コルヒチン───36

2章

おもに神経に作用する毒

 

2章

おもに神経に作用する毒

 

1植物毒の代表トリカブトの毒

アコニチン───41

▼コラム 神経毒とイオンチャネル───45

2食べて死んだ人は数知れず。キノコの毒

アマニチンほか───46

3多幸感と依存症、そして激しい禁断症状

麻薬・ドラッグ類───52

4あたったら半数が死ぬフグの猛毒

テトロドトキシン───58

▼コラム 人間国宝・坂東三津五郎の中毒死───59

5土壌に潜む最強の毒

ボツリヌス菌(ボツリヌストキシン)───62

▼コラム 美容整形外科で行われるボトックス注射───65

▼コラム 土壌ハンティング───67

6温泉地の窪地に潜む有毒ガス

硫化水素———68

▼コラム 「硫化水素ならきれいに死ねる」の嘘───72

7青酸カリに匹敵すると知ってもまだ吸う?

ニコチン───73

8清涼飲料水で人が死ぬ

カフェイン中毒───78

9平成に入って脚光を浴びる毒物

酢酸タリウム───82

10兵器以外の用途がない神経ガス

サリンとVX───85

11しみ込んだ土壌を汚染する合成物質

テトラクロロエチレン───88

▼コラム 今も地上に滲み出す六価クロム───91

12砂糖の200倍の甘さを持つ人工甘味料

アスパルテーム───92

 

3章

おもに血液に作用する毒

 

1ドラマで頻繁に使われる毒物の花形

シアン化物(青酸カリ、青酸ソーダ、青酸ガス)───99

▼コラム 自然界にも存在する青酸───105

▼コラム 毒入りカプセルを見抜くコツ───106

2毒性も成分も豊富な生物毒の代表

ヘビの毒───107

▼コラム アナフィラキシー・ショック───111

3生きるのに不可欠な水で人が死ぬ?

水中毒───112

4ミネラルも過剰摂取で毒になる

塩と「にがり」───115

5食物連鎖とは毒素の連鎖?

マイトトキシン───119

 

4章

肝臓・腎臓をはじめ おもに臓器に作用する毒

 

1病原性大腸菌O157が産生する猛毒

ベロ毒素───125

2事件のたびに登場するが、それ自体は無害

ヒ素化合物───129

3「医者いらず」でも大量摂取は危険なアロエ

アロイン───134

4意外と知らないビタミンの中毒症状

ビタミンA過剰摂取───136

▼コラム ビタミン類の単位───139

5歯と骨の原料も過ぎれば結石の基になる

カルシウム───140

6安定した金属ほどイオン化すると危険

金・銀化合物───144

 

 

5章

皮膚・ホルモン・その他に作用する毒

 

1トウゴマから抽出する5大毒素の一つ

リシン───149

2魚介類に寄生する虫が引き起こす中毒

アニサキス症───152

3パイプ・クリーナーにも含まれる身近な劇物

水酸化ナトリウム───156

4缶詰の内面コーティングに使われる内分泌攪乱物質

ビスフェノールA───159

▼コラム 環境ホルモンと『沈黙の春』───162

5サプリメントは有用でも添加物は毒物

二酸化ケイ素───163

6核燃料の残りカスが深刻な健康被害をもたらす

ウラン238(劣化ウラン)───166

7放射性物質を使った史上初の殺人事件

ポロニウム210───170

8抜群の安定感が人類の危機を招く

フッ素・フロンガス───175

9「抗ガン剤」として復活した毒薬

サリドマイド───178

 

 


著者略歴

井上 浩義(いのうえ ひろよし)

 

1961年生まれ。慶應義塾大学医学部教授。理学博士、医学博士。専門は薬理学、生理学、高分子化学、原子力学。医薬品の開発を通じてPM2.5やナノ粒子の研究をするかたわら、食や健康についての造詣も深く、エゴマ油が身体に良いことをテレビで解説し、一大ブームを巻き起こした。親族に警察官がいたことから幼年期より毒に興味を持ち、大学院生に至るまで研究を重ねる。昨今、健康志向が高まる中で、自然なものに近づくことは毒にも近づくことを知ってほしいと訴えている。 主な著書に『アポラクトフェリンのすべてがわかる本』『ここまでわかったPM2.5本当の恐怖』『しなやか血管とサラサラ血液はえごま油でつくる!』(いずれもアーク出版)、『えごま油で健康になる』(洋泉社)、『食べても痩せるアーモンドのダイエット力』(小学館)、『知りたい!医療放射線』(共著、慧文社)など多数。新聞、雑誌などへの執筆をはじめ、「あさイチ」などテレビでも活躍中。